丸と四角の眼鏡をかけておられる有名なNさんが、いくつかの本を紹介しているYouTube動画を先日見ました。わたしはその中で、オノ・ヨーコさんの詩集に心惹かれました。少しだけNさんが引用されていたのですが、「太陽を見つめなさい。それが四角くなるまで。」というのを聞いたとき、美しいなと感じたのです。

このことを、実家に帰ったときに両親に話したら、ほんの少し沈黙が流れました。そして父は、「そんなん、目ぇおかしなるやん」と言い、母はただニコニコ微笑んでいるだけでした。

ああ、なんてこと。伝わっていない。
そう思ったらおかしくて、わたしは声を立てて笑いました。愉しい家族です。きっと下二人のきょうだいたちは、何かを感じてくれるだろうけれど、両親には、わたしの感動は伝わりませんでした。

けれども、伝わらないということに落胆しませんでした。むしろなんだか、爽快さがありました。言葉のやり取りの奥にあるものは、やはり美しかったからです。

 

このオノ・ヨーコさんの本、『グレープフルーツ・ジュース』には(Nさんが紹介しているのを聞いたあとすぐに、amazonで注文して買いました)、他にもこのような言葉が記されています。

セントラル・パークの池の
真ん中に行きなさい。
あなたの宝石をぜんぶ投げ込みなさい。

 
なんて、美しいのでしょう。
ああ、今、そうしたい。そのように思える“メッセージ”です。“無価値なものに価値を置かない”(Lesson133)のです。

 

一本の線をひきなさい。
その線を消しゴムで消しなさい。

 
これもとてもわたしの気に入った“メッセージ”です。

ちなみにこの日本語は南風椎(はえ しい)さんが訳されたものであり、オノ・ヨーコさんご自身は英語で言葉を紡がれています。原文はこうです。

Draw a line. Erase the line.

 

ああ、なんて、なんて美しい響き……。

「せっかく描いたのに」という思いが全くない、なんの執着もない、爽やかな気持ちで、消しゴムで消す。「わたしが」引いた線なのだから、残しておきたい、などという考えを抱かずに。仮に抱いたとしても、思い直して、未練なく潔く、消す。
 
 
<コースを生きる>というのは、これまで学んだこと(神から離れるために引いてしまった一本線)を、eraseしてゆくことなんだと感じられました。オノ・ヨーコさんがどういった思いで、この言葉を書かれたのかは分かりませんが、わたしにはそんなふうに思えたのです。

あるいは、「やらずにはいられないなら(コースの言葉を使うと、偶像崇拝せずにはいられないなら)、やってみなさい。そしてそれを取り消しなさい」というふうにも感じられてきます。どのみち、わたしたちは、それを消しゴムで消したくなるのです。無価値なものに、価値を置くつもりはないから。

 

引いてしまった線を消しゴムで消すということが、たとえば日常の出来事において言うなら、どういうことなのかと思う方がいらっしゃるかもしれません。

先日のクラスで、わたしが一瞬、あることに対してざらっと感じたことをスルーせずに、ホーリースピリットと一緒に内側を見てもらうことにしたとき(詳細は長くなるので省きますが)、「もし不審者が家に侵入しても、相手はキリストなのだから、お茶すればいいんだよね」と、爽やかに思えた、ということをシェアしました。相手が誰であれ、必ず愛と癒しの贈り物を一緒に受け取れるはずだと思ったのです。

すると、ご参加くださっていたある方が、日本のピアニストの方がニューヨークで暮らされていた頃に、強盗が入ってきたときのエピソードがお気に入りなのだと教えてくださいました。クラスが終わってから、わたしは早速YouTubeで検索して、そのエピソードを聞きました。

そのとき、“Erase the line.”って、こういうことなんじゃないかと、おもしろく、楽しく、嬉しく感じられたのです。

強盗が自分の家に侵入してくるというストーリーは、むろん、自分(分離を信じている神の子の心)が書いた脚本です。神から分離するために引いた、一本線上の「出来事」です。それをどんどん消しゴムで消していくというのは、コースの言葉で言うなら“時間を短縮する”ことであり、それは自分と兄弟の“両方の苦しみを短縮”することなのです。

 

6慈愛の一表現である奇跡にできることは、時間を短縮することだけである。7しかし理解されなければならないのは、あなたが他の人に奇跡を差し出すときはいつでも、あなたと彼の両方の苦しみを短縮しているという点である。8これが、遡及的にも前進的にも訂正を行うことになる。

T-2.V.10:6,7/『奇跡講座 上巻』
中央アート出版社

 

コース学習者かどうかによらず、消しゴムで消すことはできるのです。両方の苦しみを短縮する奇跡を経験できます。

さて、そのピアニストさんは、どのようにして“消した”のでしょうか。その動画を貼っておきます。この動画の17分10秒あたりから、泥棒さんとのエピソードが語られています。

 

 

今月はおたよりをお届けするのが遅くなってしまいましたが、今月もまたみなさんと心の手を取り合いながら、分離のために引いてしまった一本線を、みんなで一緒に、消しゴムで消していきたいと思っています。

一本線なのだから、みんな一緒に癒されるのですよね。
いつも心は共に・・♡

Blessings,

 

2024.5.13配信
(繋がってくださっている方に毎月お送りしています)

 

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