“Hello♡”の心 ——２月のおたより

近所のお庭に梅の花が咲いているのを見て、心しずかに“ありがとう”と思いました。栗や柿も、そのお庭で見つけた——実が成っていたり、ころんと落ちていたりしました——ことがあります。都会の大きな道路沿いにあるお庭で、買い物に行くたびに横を通るのですが、このお庭もまた、勢いよく通り過ぎる車たち同様、わたしにとって“Hello♡”のお相手です。

A Course in Miracles(『奇跡のコース』/『奇跡講座』)を学んで変わったことの１つは、人々だけでなく、動植物たちにも、無生物のものにも、同じように“Hello♡”の心——兄弟を祝福する心——を抱けるようになったことです。

もともと動植物は好きでしたが、人間の言う「好き」という気持ちと、この“Hello♡”の心はまるで違います。“Hello♡”の心は、選り分けることを決してしないからです。

選り分けない心。それは、すべてを“同じ”と見る心——。
真の“平安”というのは、この、＜すべてを“同じ”と見る心＞の状態のときにしか受け取れない(思い出せない)ものですよね。差異を見るのは常に自我(ego)であり、自我を選んでいるのであれば、そこに“平安”があるはずがないのです。

コースの教えの中に、“ニュートラルな考え／信念はない”というものがあります。コースに出合って初めて学んだことです。それまでは、「ニュートラルな考え」というものがあると思っていましたから。良くも悪くもない考えが。

おもしろいことに、そもそも、「良い考え」も「悪い考え」も、＜ない＞のです。わたしたちの考えは、自分の心が自我を選んでいるのであれば、どんな考えであれ——それがいかに「素晴らしい」考えであるとしても——自我の考えであり、それらは何であれ、＜意味がない＞もの、実在性のない考えだ、と言うのです・・！

では、＜意味がある＞考えとは何かと言えば、それは無論、心が聖霊(Holy Spirit)と一致しているときに生じている想念のことであり、それは「考え」というよりも、「感覚」と呼んだほうが近いのではないかなと感じます。あれこれ思う状態ではないから。

誰かや何かに文句を言っている（直接的にであれ思考の中であれ）ときだけが、自我を選んでいる心の状態なのではなく、過去のことか未来のことを考えているときも、自我を選んでいます。分析しているときもそうですし、価値判断はそれがどんなものであれ、みな、自我の思考体系に基づいたもの、この世界の法則に基づいたもののはずで、そうである限り、全部、自我の考えです。

内なるガイド、ホーリースピリットと一致しているときは、コメントする状態ではなくなっていて、どんな状態か言語化してみるなら、たとえば、祝福している、讃えている、感謝している、愛でている、受け取っている、といった状態だと言えます。そして、この状態のときだけが、選り分けない心の状態であり、すべてを“同じ”と見る心の状態なのです。

ホーリースピリットの眼差しは、決して選り分けることがありません。「部分的に見る」というのは、ホーリースピリット（イエス）からすれば、＜見る＞ことではないのです。「部分的に見る」というのは、価値判断するということであり、それは実は、何も見てない、ということなのです。