神のまにまに」という七音を初めて美しいと思ったのは確か10代の頃で、万葉集か古今集を読んでいたときに出合った言葉ですが、先月の心の取り組み——静かにすること、心を鎮めることによってわたしの心に広がってきたのはこの七音でした。

およそ1分の黙想――。内なるガイドであるホーリースピリットに心を合わせる静かな時間。これを一日のうちに何度も経験することによって、できるだけそのような日を多くもつことによって、神の御心のままに・・と願う心、神の意志のほかに意志はないという静かな喜びに何度も戻ることができました。

 

練習することによって、A Course in Miracles(ア・コース・イン・ミラクルズ)のワークブックで述べられているこの箇所に、6巡目にしてやっと大きく心が開かれたような気がしています。

練習を続けていくうちに、いつかあなたが神のことを思わないときはなくなり、真に無防備に歩む静かな道へとあなたの足取りを導いてくれる優しい神の声が、いつでも聞こえているようになるだろう。あなたは天国が自分とともにあることを知るようになるからである。そしてまた、たとえあなたの時間が世界に救済を差し出すために使われていても、あなたは一瞬たりとも神から自分の心を離しておこうとはしなくなるだろう。世界と自分のための神の救済計画を実行することを選んだあなたのために、神がこうしたことを可能にしてくれないとあなたは思うのだろうか。

(W-pI.153.18/『奇跡講座 下巻』/中央アート出版社)

 

神のことを思わないときがなくなるだなんて、あまりにも遠いこと、不可能と言っていいくらいだと以前は思っていました。四六時中ホーリースピリットから心を離さないでいるだなんて。自分のことで精一杯なのに、と。

今になって、それにしても「自分のことで精一杯」とは、おかしなことだと思えます。「自分」を大いに誤解していたのです。「自分のことで精一杯、神さまどころではありません」だなんて、あまりにもおかしいと、笑ってしまいます。神とわたし(神の子)はひとつだというのに、分離を信じる心にとっては、分けて、離して、考えずにはいられないのです。

「自分のことで精一杯なんです、神を思うどころではありません」と述べる心は、自分のことを完全に忘れてしまっています。自分を肉体だと信じており、この世界を現実だと信じきっていて、完全に眠りこけています。自我(エゴ)の思う壺です。

 

今年は毎月、ホーリースピリットからお題をもらって、心の取り組みを続けてきました。
上半期を振り返ってみると、1月は「あらゆることをホーリースピリットにゆだねる」練習、2月は「なにひとつ、自分でしない」練習、3月は「ホーリースピリットと共にする」練習と、「すべての人の中に全き光を見る」練習、4月も「誰の中にも全き光を見る」という例外なしの練習、5月も同じ練習に加え、誰に対しても「どうぞ教えてください」という心で神聖性を見させていただく練習、6月はこれまでの練習に加え、「静かにする、心を鎮める」練習に取り組みました。

誰に対しても、その方の内なる光を見られるようホーリースピリットに祈り、どうぞ教えてくださいとその方のスピリットに心を合わせるとき、神に頭(こうべ)を垂れる神の子の美しさを、神の愛に満ちる光の子を、感じずにはいられません。相手と自分にまったく違いがない瞬間へと移行します。肉体と肉体として、個人と個人として見ていた自我の目線をはるかに超えた清らかな光を、いのちを、分かち合っているという喜びと感謝に何度も戻ることができました。

――神を思わずにはいられません。

 

ホーリースピリットに助けを求めること、どんなこともホーリースピリットと一緒にすることが、個人としての自分の人生がスムーズに進み、あらゆる面で気持ちがラクになれるから、という動機によるものだったっとしたら、神を思うことはないでしょう。「自分のことで精一杯なんです、神を思うどころではありません」という気持ちのままだったことでしょう。

静けさにとどまっていると・・全員に、兄弟姉妹に向けて心の手を広げて繋がっているのが感じられ、わたしの願いはひとつ、「神のまにまに」だったのだと思い出せます。そのときの至福の感覚はえも言われぬものですが、これが長く続くことを恐れる気持ち、壊したい気持ちが出てきて、24時間・・というわけにはいかないのです。

先月の、とあるサークルでの祈りで、もう身体を離れてもいいと思えるほどの体験をしましたが、その感覚が四六時中ということはなく、自我が顔を出す・・という時間もまだまだあります。ほんとうのわたしたちは聖なる神の子ですが、真の自己を完全に、全面的に受け入れるというそのときを、先延ばしにしたいという気持ちがあるようです。

それでも・・

私たちはもう後ろを振り返りません。前を向いて、旅の終わりだけを見つめます。

(W-PII.in.6:3-4/『奇跡講座 下巻』/中央アート出版社)

 

御心のまにまに
神のまにまに

Blessings,

   
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7/7は「祈りの繋がり」の日です★
今回はゆだねることに関するお祈り
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