未来ではなく、「今」受け入れる／奇跡のコース・奇跡講座

心の学び、スピリチュアルな学びを深めていこうとするときに陥りがちなことの１つに、ゴールを未来に据えるという落とし穴があると思います。「未来において幸せになれる」と信じる罠です。

どうしても、時間を直線的なものと捉えてしまうので、「これから幸せになる」、「ゆくゆくは悟りに近づく」、「最終的には目覚める」のだと信じてしまうわけです。

たとえ今世は無理でも、来世には——。
完全に目を覚ますことができたらいい、今世はできる限りそこに近づいておきたい。

何年も前に、一度ほどそのようなことを思ったことがあったような気がしますが、あるとき、「今、ゆきます」と思えない心は、来世になっても同じだろうと、ふっと感じたことがありました。「今」選ばない心は、「今」決断しない心は、明日も１週間後も、１年後も、来世も同じ、選ばないだろうと。

それで、そのとき、ほんの一瞬、決意したのです。「今、選択します」と。次の瞬間、10分後、１時間後、明日……また自我（エゴ）を選んでしまうとしてもいいから。それでも、わたしの答えは１つでした。「今、決断します」。ただそれだけです。何度でも選び直せばよい、何度だって、その瞬間、「今、ゆきます」、「今、選びます」という心に戻ればいい。そう思えたのです。

それはつまり、今というこの瞬間に、自分で描いた自分像（間違ったアイデンティティー）を宝とすることをやめて、完全無欠の真の自己、永遠のスピリットである「聖なるわたし」を受け入れるということ、ワンネスに心を開くということです。

自分を身体だとみなしているということは、自分自身のことをでこぼこした存在——長所と短所があり、優っているところと劣っているところがあり、完璧とはほど遠く、欠けていて脆弱なのだと信じているということであり、欠けている自分にダメ出しをしたり鞭打ったりして、なんとかマシにしよう、なんとか世の中についていこう、どうにかして足りないところを補おうと考えます。

未来の、安全のために。未来の、幸せのために。
そのために、できる限りの手を尽くそうとします。そのような心はむろん恐れに満ちているので、身も心も疲弊してしまうわけです。

幸せを未来に据えて、いったい、何のために、いまここにいるのでしょう。何をしているというのでしょう。
なぜ、いま苦渋を舐めたり、いま我慢したり、いま自己犠牲的な生き方を選ばないといけないのでしょう。
なぜ、幸せを自分で「お預け」にしたりするのでしょう。

だって、こんなわたしだから。ダメダメで、欠けていて、どうしようもないわたしだから。まだまだ足りないから。もっともっと努力しなければゆるされないから。

問題は、こうした思いを宝としていることです。
「あなたは、ブッダやイエス・キリストのように、清らかで美しい存在なんですよ」と言われたとしたら、即！否定したくなります。わたしはそんな完璧な存在じゃない、だってわたしはこんなにも〇〇だから。

こんなにも、何でしょう……？
こんなにも腹黒い、こんなにも無能、こんなにも愚か、こんなにも怠惰、こんなにも汚れている……。

どんな言葉でも同じことです。奥底に、罪悪感を潜ませています。これが、「今」幸せを受け取れない理由なのでした。

先日のテキストクラスで、ある方がマザー・テレサとシスターたちのお話をされました。わたしはホーリースピリットと共にお聴きしていたのですが、ふっとわたしの心に「あなたもマザー・テレサと同じです」というメッセージがやって来たのでそういった内容のことをお伝えしたところ、抵抗されてはおられましたが、みんなで真の自己の完璧さ、無罪性を受け入れましょうという思いを分かち合えました。

クラスが終わって少しして、なんとなくスマホアプリのオラクルカードを１枚引いてみたくなったので、ボタンをタップしてみると、アプリに入っている1500枚以上のカードの中から、マザー・テレサのカード（１枚だけ入っています）が出てきたのです。

わたしたちを祝福してくださっているように感じられたので、再び、「わたしたちはみな対等であり、みな聖なる存在、清らかなスピリットです」という愛のメッセージを、わたし自身がまず受け取り、このカードについてその方にシェアさせていただきました。ともに聖性を受け入れましょうと——。

高校生の頃、テレビでマザー・テレサについての特集を偶然（！）見たことがきっかけで、とても心惹かれ、社会人になってからだったと思いますが、本を買いました。その中で印象に残ったのが（正確な表現は忘れてしまいましたが）、すべての人の中にイエスがおられるというふうに見ていらっしゃった……といった内容で、どのような人であっても同じように、イエスを見ておられたというその心の姿勢に感動したことを憶えています。

幸せの決断とは、こういうことではないかと思うのです。
誰の中にもまったく同じ清らかさ、神聖性、美しさ、輝きを見ることによって、「聖なるわたし」、ワンネスにおける真の自己が自覚される——。

真の幸せの決断は、未来ではなく、「今」できることです。
わたしたちは、これから次第に清らかに「なっていく」のではなく、すでに完全無欠の清らかなスピリットであるという真実を、「今」受け入れるのみ——。

「今、ワンネスというふるさとに帰ります」、「今、選びます」。
この決意は、地上において、誰の中にも同じ光を見るということ以外にどのようにして示される（ホンモノ、確かなものになる）というのでしょうか。

みなさんと、「今」受け入れたいです。「今」選びたいです。
お会いしたことのある方、これからの方、このブログ上のみのご縁かもしれないとしても、どなたの中にもまったく同じ清らかさ、輝きが拡がっているということを、確信しています。「聖なるわたしたち」、ひとつの「聖なるわたし」を。

「今」、幸せを受け入れられますように。
「今」、全員の幸せを受け入れます。
生きとし生けるものの真の輝きを受け入れます。

Blessings,
愛

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