どんな問題も奇跡へと…／奇跡のコース・奇跡講座

　
20代の頃、心理カウンセリングやアロマセラピーについて学び、資格を取り、しばらくして思わぬ展開でニューエイジのさまざまな教えについても勉強するようになり、基本的に習得したものはすべてアウトプットしてプロとして提供する……というところまで進んできたのですが、それは、あまり意識していなかったけれども、わたしの心の中に、真に癒されて解き放たれたいという思いや、人々にとっての真の助けとなりたいという気持ちがあったからだろうと思います。

30歳になってわたしが集中して学ぶようになったのは、A Course in Mracles(ア・コース・イン・ミラクルズ)という本（日本語訳版では『奇跡のコース』／『奇跡講座』）で、この本の学習をし始めて驚いたことの１つは、「奇跡に難易度はない」ということでした。

どんな問題であっても、すべて同じ解決法で解決する。どんなことでも、それはみな「奇跡」と入れ替わる——そう言うのですから、驚かずにはいられませんでした。

わたしたちが抱える問題には、それはもう夥しいほどの種類があって、それぞれの問題に対してそれぞれの解決策と答えがあるのだと信じてきたし、だからこそ心理カウンセリングや、アロマセラピー、エネルギーヒーリング、カードリーディングなどの手法を学び、クリスタルやらカラーボトルやら音叉やら……ツールもたくさん持っていました。わたしにとってはどれでもよかったのだけれど、自分のそのときの問題／症状に応じて、あるいは、クライアントさんのお悩みに／好みに合わせていけばよいと考えていたのです。

あれこれ習得せずにはいられなかったのは、好奇心旺盛だったからというのもあるでしょうし、奥底に潜んでいた自分の無力感をどうにか解消しようとしてきたからだとも言えるでしょうけれども、「なにか、忘れている」という感覚が消えなかったというのも理由として挙げられると思います。

どの手法を使うとしても、心の変容を、心のレベルでの解決を願っていましたが、心理カウンセリングを学んでいたときに、「答えはクライアントの中にある」と教わったいたので、問題をどう受け止め、どう対処して、どういう答え(結論)を出すのかを決めるのはクライアントさんなのだと思っていました。解決法は人によるし、出す答えも人それぞれで、結果も人それぞれなのだと。

それがどうでしょう、ACIM(コース)では、問題は１つ、解決法も、答えも１つだと言うのです。問題に難しさの序列というものはなく、どんな問題でも奇跡を受け取れると言うのです。しかも、自分で判断して、自分でやろうとせず、内なる真の教師にゆだねましょうと教えてくれています。

シンプルであっては困る、複雑さが好きな自我／エゴからすれば、こんな不快な教えはないかもしれません。いかに自分の抱えている問題が深刻で、解決困難で、どんなに自分がみじめで大変か、証明したくなるかもしれません。

証明したくなる……？
おかしいものです。すべての問題を解決できるただ１つの方法があると聞いて、喜ぶのではなく、どんなに自分がみじめで大変かを証明したくなるだなんて。問題が簡単に解決されては困ると言っているようなものです。答えより、問題がほしいと言っているようなものです。
わたしのこの問題は、「特別」なんだから。誰にも簡単に解決できないんだからと、問題を宝物にしているとしか言いようがありません。

　
ACIM(コース)で、このように述べられているところがあります。

　世界中の誰もが個々に特有の問題を抱えているかに見える。だが、それらはみな同じ問題であり、そのすべてを解決する唯一の解決法が受け入れられるためには、それらが一つのものとして認識されなければならない。問題が何か別のものだと思い込んでいる者には、その問題がすでに解決されていることがわかるはずがない。たとえ答えを与えられたとしても、その妥当性がわからない。　　　

　それが、今あなたが置かれている立場である。あなたは答えをもっているのに、依然として何が問題なのか、確信がない。次々とさまざまな問題が立ち現れ、一つが決着するとすぐにまた別の問題が生じるかに思える。まるでそれらには終わりがないかのようである。完全に問題が解決され、心安らかでいられる時間はまったくない。

(W-pI.79.2-3『奇跡講座ワークブック編』／中央アート出版社)

答えはすでにわたしたちの中にあると言っても、「人それぞれの答え」、「その人が自分で考えて出した答え」ということではないのです。

すでに内側にある答えを真に受け取るためには、まず、問題はどんな形をとっていようともみな同じ問題なのだということが認識されなければなりません。

問題が何か認識できたなら、直ちに奇跡を受け取ることができます。内なる真の教師、ガイドであるホーリースピリットに助けを求めるなら、必ず奇跡を受け取れます。

大事なことは、とにかく、自分でやろうとしないこと。ホーリースピリットに助けを求めること。
そして、先に引用したのはワークブックのレッスン79ですが（全部で365のレッスンがあり、レッスン79の主題概念は祈りになっています）、「問題が解決されるように、私が問題を認識できますように」と書かれている、この祈りを捧げること。この思いでいること。まずはそこからだと感じます。

　
無職になってしまったことが問題、ハローワークに行くことが解決法。
たとえばそのように決めてしまう前に、問題視していることをホーリースピリットに差し出し、「わたしは実のところ、何が問題なのかまるでわかっていない」と認めて、助けを求めるなら、見るべきところを見ることができるようになり（気づきを得ることになり）、それによって心の中でシフトが起きて（奇跡が起きて）、問題が消える……ということを経験できます。

これは、確かに、何問題でも適用されます。健康問題、金銭問題、人間関係の問題、何であれ、それがどんな形をとっていようとも、実は問題は１つ、同じ問題なので、同じ解決法を使うことができます。すべてが、奇跡と入れ替わります。

　
問題を抱えるのが大好き、というのでないなら——心をよく見るなら、いかに問題好きかということに気づかされますが、もうそれを選択したくないものです——、答えを望むことが、幸せを決断することができます。

奇跡はわたしたちをずっと待ってくれています。それを受け取れる心でいたいですね。そのために、まずはお掃除から。
わたしは何もわかっていない、問題が何か認識していない、自分で自分を導くことはできない。そう認めて、心をホーリースピリットに開くなら、「お掃除」されて、はじめからあった奇跡を、受け入れることができるようになります。

今、どんな問題を抱えているとしても、ですから安心して、ホーリースピリットにゆだねましょう。
ホーリースピリットは優しく導いてくれます。

Blessings,
愛

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